サンプル百貨店の第21回RSPが決定したそうです。
今回は白金台。
3月26日木曜日にシェラトン都ホテル東京にて開催されます。
RSPとは、リアルサンプリングプロモーションのこと。
色々な企業のサンプルが、実際の開発者の説明を受けつつも試せちゃうイベントです。
応募方法は、サンプル百貨店に登録して、ブログに参加表明をするだけ!
私も行きたい~!!
でも、東京までは流石に…。
地方ブロガー枠が当たりますように!
森永製菓のウイダー プロテインバー ウェファータイプ(ナッツ味)の引き換えチケットがサンプル百貨店の先着サンプルで出ていたので、こないだ応募しました。
サークルKかサンクスで引き換えってことなので、最寄のサンクスで引き換えしました。
ついでにジュースも購入。
朝ごはんとしてもしゃもしゃ頂きました。
こういう系って、あまり食べないのですが、時間がないときは便利だなーって思いました。
手も汚れないし。
普通にナッツ風味のチョコウエハースっぽい味で美味しくいただけました。
現物の写真を撮り損ねたので、下にyahoo!検索結果をリンクしますね。
気になる方はそこから飛んでみてください。
ウイダー プロテインバー ウェファータイプ(ナッツ味)検索結果
株式会社 ムトウさんのラプティ08冬号が当たったけど忘れてましたー。

当たったっていっても先着ですが。
冬服のコーデの参考にさせて貰いました。
気に入った洋服は通販で買えちゃいます。
割引チケット500円もついて300円だったらお得ですねー。
結構コンビニや本屋で見かけるんですけど、女性ファッションしかったと思えばいいかもです。
サンプル百貨店でレフィーネが当選しました!
嫌なにおいがしない!手軽に染められる!
ヘナと言う成分が入った髪を傷めない毛染めです。
去年に当選したものの毛がまだ黒かったので、使っていませんでした。
が、最近ちょっと染め直さないとなーと思い出したので早速使ってみました。
全体でなくて、一部だけ白くなっていたので、気になる部分だけにさっと塗ることに。
でもドラマが気になる!!
と思いTVを見ながら毛染め開始。
皆、普段なら毛染め中に近寄るとブーイングが出ますが、誰も言ってきませんでした!
「あれ?母さん毛染めてるとこだったの!?」
と驚かれたほど。
チューブから出して適量づつ塗れて、ニオイもしないからとっても楽でした。
気になる仕上がりも、光沢ある髪色に仕上がって大満足!!
今度は、買ってみようかな?って思います。
(*1)第20回リアルサンプリングプロモーションの開催が決定したそうです。
私の娘は関西地区で開催されたときに参加したのだそうですが、凄い盛り上がりだったそうです。
今回は、
リーガロイヤルホテル東京にて
2009年2月27日(金)
に開催するそうです!
今回も、
(*2)主婦の部とOLの部の2部構成。
(*3)モニターブログはもちろん、
(*4)たまごブロガーの部や
(*5)地方ブロガーの部もあるようです。
とっても行きたい!!!
んですが、東京だと交通費がかかるし、仕事が…。
ってわけで今回は地方ブロガー枠で応募してみたいと思います。
結構当選倍率が高いそうなので、当たるかどうかドキドキですね…。
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と、意味が分からない人も多いと思うので、語句解説をしていきますね。
(*1)第20回リアルサンプリングプロモーション
リアルサンプリングプロモーション。
通称RSP
色々なお役立ちor新商品のサンプルや現物が貰えちゃうイベント
しかも登録など一切無料。
使い方や長所などをメーカーから伺いながら、試せます。
試した後はブログで紹介した記事を
(*6)サンプル百貨店のブログにトラックバックするだけ。
しかも、期限はないので、好きなタイミングで試してから紹介できます。
以下引用
普段はなかなか聞けない、メーカー担当者の商品開発への思いや商品開発秘話などを聞きながら、
約25社の実商品やサンプル品が試せるという大サンプリングイベント!
リアルサンプリングプロモーションでは、
“モニターブロガー”や“たまごブロガー”になってくださる方、
遠方で参加できないけど、ブログは必ず書くので任せてという“地方ブロガー”を大募集します!!
大きく分けて3種類のブロガーさんを募集しています!
応募条件や応募期間がそれぞれ違いますので、ご自分に合った応募をしてくださいね!!
(*2)主婦の部とOLの部の2部構成
参加条件が「20歳以上の女性」であること。
なのですが、午前午後に分けて開催されます。
どっちに参加するかで、きっと内容に違いがあるのかな?
勿論私は主婦の部で応募です!
(*3)モニターブログ
モニターブログになるには、ブログが必要です。
サンプル百貨店を利用するなら個人的にはアメバーがオススメ。
何故ならトラックバックがしやすいから。
以下引用
商品を試して、生の声をブログで情報発信してくださるブロガーさんの事です♪
新しいもの・いいものを『ココがこんなにいいよ!』って皆さんに広めてくださる、 そんなブログをお持ちのサンプル百貨店会員様 それが“モニターブロガー”です。
(*4)たまごブロガーの部
モニターブログになるにはブログを使えなきゃ駄目。
でもブログなんてやったことないよー!って人にオススメ。
なんと、ブログの書き方を教えてもらえます。
アクセスアップの方法や、効果的な文字の書き方から画像のアップロードの仕方など初心者には分からないことがレクチャーしてもらえちゃいます。
今まで見てるだけでチャレンジしたことのなかったあなた!
タダでブログの講座受けれる上に、お土産を貰っちゃいましょう♪
以下引用
商品を試して、生の声をブログで情報発信してくださる“モニターブロガー”さん そんな “モニターブロガー” を目指してくださるサンプル百貨店会員様 それが “たまごブロガー”です。ブログの楽しさを、サンプル百貨店が皆様にお伝えします
(*5)地方ブロガーの部
ブログの機能は問題なく使いこなせるけれど、会場が遠い人向け。
私は今回コレで応募するつもりです。
お話が聞けないのは残念だけど、商品を手に入れて、試してブログで書きたい!!
って人はどうぞ。
以下引用
“モニターブロガー”になりたい!でも、会場が遠すぎて参加できない… ブログ情報発信には自信があるから、商品をぜひ試してみたい そんなブログをお持ちの遠方のサンプル百貨店会員様 それが“地方ブロガー”です。
(*6)サンプル百貨店
このイベントを募集しているサイト。
イベントだけでなく、普段からお役立ちの賞品が抽選で当たっちゃいます。
毎日ログインして情報を集めたり、ポイントを貯めて得しちゃいましょう。
サンプル百貨店http://www.3ple.jp/
ちなみに登録する際に、既に登録済みの友人がいる場合、紹介してもらうと貴方もお友達もポイントが貰えます。
友人を誘ってみても良いかも?
私、懸賞にはまってるんです。
で、サンプル百貨店に登録中。
娘が登録しているのをみて始めたのですが、中々楽しい!
まだ何も当たったことはないのですが、商品のサンプルが当たっちゃうというもの。
娘は石鹸やら洗剤が当たったー!
とよく言ってます。
化粧品や食品まで当たるものは様々。
後日ブログで紹介もしているみたいですが中々楽しそうです。
当たってココで紹介できるのを楽しみにしているのですが、まだ始めたばかりなので中々…笑
今回はリアルサンプリングの応募があったのでご紹介。
TVなんかでも何回か紹介されていたのですが、企業からサンプル
いわゆる試供品がもらえるイベントみたいなものです。
今回の会場は舞浜らしいです
ちょっと遠いので、今回は商品を宅配してもらえる地方枠で応募したいと思います。
他にもブログを始めたばかりの卵ブロガー枠や、会場に赴く会場枠があるそうです。
会場に行くと、カメラで撮影できるので、説明をする際に映し出されるプロジェクターを撮影できます。
もし当選したら貰った商品を後日こちらにあっぷしていくので乞うご期待!!
もし、興味を持った方がいれば、サンプル百貨店へ登録から始めてみてくださいね♪
詳しく分からない場合は、メッセージくれたらお教えしますよー!
当選確率低そうですが、当たると嬉しいです。
「先輩には、分からないです」
目の前で
自分の恋する人が己の最も愛する人を死ぬほど優しく扱うのを見ている人の気持ちなんて
本気でこの場から去りたいだとか
もしかして自分はココに存在すべきじゃないんじゃないかとか
そんなことを考える人の心理なんて。
嘘はいけないことかもしれない。
でも、あの時嘘を吐いてなきゃ、去ってた人がいたはずってこと。
理解できないから、正直に話すべきだって、嘘は駄目だって簡単に言えるんです。
そんなこと説明できるわけもなくて、上手い言葉も見つからないままに
先輩と私は堂々巡りの会話を交わしあった。
面と向かって。
とは言え、頑なに理想を語る先輩の姿を、なんとなく可愛いと思ってしまった自分に気付いた。
それは恋なのかもしれない、と私は思った。
失恋してから好きになるなんて反則だ。
事件から数日が経った。
アレから何度か、嘘を確実なものにするための既成事実の上塗りに奔走した。
そして、そうでない時は、私はただただ眠って過ごした。
日がな一日眠っていた。
何も考えたく無いとでも言うように。
そしてそんなある日、先輩からメールが来た。
そこに綴られていたのは、先輩の、件のカップル達への想いだった。
片思いして、そして恋に破れた後輩への想いだった。
彼女はずっと、彼の気持ちに薄々気付きながらも明確にその想いを断ることをしてこなかった。
そのことに対する怒りが、憤りが、そこにはあった。
私は、その意見に賛成することが出来なくて、渦中の彼女とメールをかわし合い、結果軽く喧嘩したらしい先輩をいらだたしく思った。
彼女を責めて何になると言うのだろう。
何の権利があってこの人は彼女達を責めているのだろう。
あなただって私に同じ事をした癖に?
妙な感覚と妙な思考回路が働いて、私はうっすらと笑みすら浮かべながらそう夢想した。
「その気がないなら、初めからあんな態度とるべきじゃなかった」
「きちんと、伝えるべきだった」
…?
だって、仕方がない。
走り出した恋を留める事なんて、きっと彼にはできなかっただろうから。
もし、彼女の断りにもっと早く気付いていたとしても、そんなのは関係無いと言うことを私は知っている。
そして、ふられる予感を自覚した上で、彼だってそれなりの覚悟を持った上で、走り続けていたのだと今なら分かる、私には。
ねぇ、先輩には分からないでしょう。
傷つくのが恐くて、傷つけるのはもっと恐いと逃げてばかりいるあなたには永遠に。
本当に誰かを好きで、どうしようもない気持ちなんて、いつでも他人が優先のあなたには想像もつかないのだから。
メールを何度か繰り返すうち、彼女たちを庇う発言をした私への返信は途切れた。
こうして「仲の良い先輩と後輩」を続けていた「私達」は、出会って初めての「喧嘩」をした。
最低だ。
チェックアウトの時間が近付いていた。
ソファーに深く腰掛けたまま動けずにいる私をよそに、周りの荷造りは進んでいく。
いよいよバスに積み込むぞと言うときになって、仕方なく立ち上がった瞬間
忽ち立ち眩んで倒れこんだ。
そんな私を先輩は、手を添えて立ち上がらせた。
ふらふらする頭と体を抱えてバスに乗り込む。
私の席と通路を挟んだ隣の席は先輩で、他は誰もいなかった。
視界に入る人間に嘘を付く必要がある人間が誰も居ないことに人まず安堵して、それから色々なことを考えた。
あんなに真っ直ぐな瞳をしている男の子がどうして、泣くことになるんだろう。
どうして叶わない恋があるんだろう。
これからどうなるんだろう。
カーテンで表情を隠したままバスに揺られながらそんなことを思っていたら、少し泣けた。
そしたらふいに先輩と目が合って、私は慌てて知らないふりをした。
それからも一晩たっぷりかけて
私はアリバイ工作に走り回った。
そうして一段落付いたときに先輩に呼び出された。
「どうなった?」
聞かれて隠さず話す。
「本当のことを言った方が良いんじゃないの?」と先輩は繰り返した。
もう、サイは振られてしまった。
引き返すなんて出来ないこと、それは私が一番良く知っている。
本当は何もかも全て「本当のこと」なんて知らない方が良い。
そう私が考える根拠を明かすわけにもいかず、ただ頑なに先輩の進言を断った。
そうして、一睡も出来ないまま、朝が来た。
皆が起き出した頃になって私は部屋に引きこもって、横になった。
どうせ朝一番は朝食だ。
昨夜はアルコールも入っていたし、何も食べる気がしなかった。
数時間仮眠をとった後、のそのそと起き出すと、皆のいる部屋に向かった。
そして部屋には居るなり、昨夜彼女が言った通りに話し合いの場が持たれた。
事情を知らない私の同回生達は、彼女の感情に共鳴するように高ぶった心のまま、一回生に対して思いの丈をぶつけた。
私は、震えそうになる腕を必死で抑えながら話を聞いた。
昨夜に続いてまたしても涙ぐむ彼女がいじらしい。
そして私が発言する番が来た。
上回生は皆、視線を逸らしてこちらなど見ていないのを良いことに、理由無く怒られていてくれている一回生に軽く目だけで謝ると、数名の一回生が私の表情の意図を汲み取り、そっと合図を返してくる。
元はと言えば、私が作り出した嘘の証言。
後輩達は理不尽にもそんな私の我侭に付き合っていた。
かと言ってここで私が何も言わないのはあまりにも不自然だった。
この嘘を完璧なものにするべく、私はこう切り出した。
「もう、私は昨日この件に関して結構色々言ってしまったから、これ以上言うのは辞めておくけど…」
その演技は哀しいくらいに完璧で、疑うものは誰も無かった。
そして結局、話し合いが終わった後も彼女は泣き、そして怒ってしまった一回生に対してもうしわけない気持ちになったのか泣きながら謝りだした。
一回生で、私が中心となって証言するように仕向けてしまった女の子に、彼女は抱き付いて、そして何度も繰り返すのは、謝罪の言葉と、叱咤激励。
その朝、彼女に抱きつかれながら後輩の瞳が澱む色を、心が抉れる音を私は確かに聞いた。
泣き続ける彼女をなだめながら、私は次の手立てを考えた。
事情を知る女の先輩と私は、別室に移動し、咽び泣く彼女の言葉に耳を傾けた。
体が震え、いたたまれなくなった私は、先輩に彼女を任せ、部屋を出る。
部屋を出た瞬間に、彼に会った。
こうなることを考えもしなかったけれど、自分の彼女の姿が見えず、しかも泣いているとなれば心配で様子を見に来るのは当然だ。
「…あいつと、一回生、どうしてる?」
一回生
その言葉に嘘がばれたのかとどきりとした。
「全部、聞いた…?」
「うん、聞いた。一回生話し合ってたんだろ。」
よかったまだバレてない。
「あー、うん、ちょっと待って。あの子ね、自分が泣いてるって知られたく無い見たいだからそっとしておいてあげて。でも落ち込んでるから出来るだけ優しくしてあげてね。」
「…分かった。」
真剣な顔をして、私の言葉を受け止める彼は、彼女より辛そうで…
こんな時すら、自分を彼女に置き換えて心をチクリとさせた自分の女々しさに少し泣きたくなった。
でも今は、その時じゃない。
階段を下りてまずしたことは、宴会場に残る人達への弁明。
次に階段を登ると、部屋から出てきた彼女は確かな信念に基づいた澱み無い瞳で言った。
「こんなの酷すぎるよ。納得いかない。私明日、一回生皆に話しようと思う!」
「…いや。それは既に私が結構怒っちゃったからもうこれ以上は…。」
「でも!!私それじゃ気がすまない!!それに、他の皆も賛成してくれた!!」
彼女達の感情を押しとどめることは、私には出来なかった。
そして、事情を知る一回生の部屋に急いだ。
「ごめん、あの子泣いちゃって、明日の朝、皆に話がしたいって。きっとあの嘘に関して怒られると思う。辻褄合わせておいてくれるかな?」
「「「分かりました。」」」
再び詳細に打ち合わせを行なって部屋を出るなり、その場でヘナヘナと座りこんだ。
ごめんね、これは私のエゴだ。
恋に破れた幽霊みたいな状態の男の子を、よりによって私が見捨てるなんて出来ないよ。
でもたった、それだけの為にこんなにも沢山の後輩にとんでもない嘘を吐かせて
先輩にも嘘の肩車を担がせて
事情を知らない人を騙すのは、私が彼に自分を投影しているからに他ならない。
かつて誰にも助けて貰えなかった自分を間接的に助けているに過ぎない。
後輩の男の子なんてきっと本当はどうでも良いの。
自分がここにいる理由が欲しかった。
居ないと困るって言われたかった。
未だに私に実際はありもしない負い目を感じて居る先輩の優しさを独りきりで抱えるのが痛かった。
先輩を嘘に巻き込んで、
きっと私は先輩と共犯者になりたかったの。
泣いている場合ではない。
泣いているのがバレれば、訝しまれてしまう。
やるべきことが沢山あった。
涙を拭う。
隠さなきゃ。
それだけが頭に浮かんだ。
こんな事態になったのは、今日まで彼女に恋する彼の背中を推して来た私達の責任だ。
もし、私が彼だったら…
部員全員に知られたらきっとここを去ってしまう。
仮に現状の人数に知られたと言うだけで、耐え切れなくて去ってしまうかもしれないけれど。
少しでもリスクは減らしたかった。
それは奇しくも私と類似した状況になってしまった彼に対して、私だからできる唯一のことだった。
と、そこへ、私と同回生の女の子がやってきた。
「ねぇ、さっきから一回生が凄い騒いで部屋走って行って、篭もったまま出て来ないの、なんで?」
静かに立ち上がって私は言った。
「ちょっと待って、私が訊いて来るから。呑んでて、私見てくるし。」
「うん。わかった。お願いするね。」
私と彼女とのやりとりを呆然と見守る先輩らに
「じゃあ、あとお願いします。」
とだけ告げて私は階段を駆け上がった。
扉を開けるや否や、私は口を開く。
「他の部員が勘ぐりだした。このタイミングで全員に知られるのは避けたい。今からアリバイ説明するから覚えて!」
部屋に居た、輪にいたメンバー+彼女とその彼氏に対して指示を出す。
結局、部活動の話し合いで未定になっている事柄をどうするかについて話合っていたと言うことにした。
全員でないのは、眠っている人や、呑み過ぎでダウンした人を慮ってのこと。
上回生は抜きで話し合いたかった。
上回生と遊んでいる人に声をかけなかったのは、上回生に気を使ってのことであり、また上回生に話し合いをしていることを知られたくなかったから。
そう、証言するようにと。
階段を下りて、待っていた同回の女の子に、テープレコーダーのように私はそれを繰り返す。
次に私は、未だに呑んだくれる失意の彼を呼び出して、大丈夫だからと声をかけた。
もっと気の利いた言葉が言えるかと思ったのに想像以上に舌が回らなくてもどかしかった。
再び宴会場に顔を出すと、同回の彼女が泣いていた。
「同回生なのに、一回生同士が寝てる子や、遊んでる子を無視して話進めるなんて信じられない!」
そう、彼女は言って涙を流した。
ごめんね、嘘吐きで。
私が恋している人の心を持っている女の子の流す涙は、嘘に塗れた私のものとは比べ物にもならないくらい綺麗だった。
それは突然だった。
件の後輩、男の子が自棄になったように日本酒を呷る。
止めに入っても辞めようとはしない。
そんな彼を止められそうな人物、それは既に部屋に戻ってしまった。
先ほど出たばかりの噂によって、険悪な雰囲気になった私達。
「もう、一体どういうこと!?ちょっと、部屋行って訊いて来る!」
後輩の一人が立ち上がり、部屋に向かった。
私は、ふらふらと立ち上がり、宴会場の廊下にあるソファーにずぶずぶと沈みこんだ。
隣には、いつの間にやら輪に加わっていた先輩が腰かけた。
突然そわそわしだした私達の輪を、訝しむ他の部員。
私は宴会場を廊下のソファーから微妙に覗きながら、来るべき時に備えた。
転がるように階段から下りてきた後輩から漏らされたのは、最悪の事態だった。
ソファーから立ち上がった私に後輩が囁く。
「あいつ、ただ彼女の相談に乗ってたんじゃないです。付き合ってるって、随分前からあの二人付き合ってたそうです。」
頭が真っ白だ。
崩れ落ちるように再びソファーに座りこんだ私を挟むように、先輩らも座った。
何も考えられない。
意味もなく、涙が零れた。
私が落ち着くまでの間、ずっとずっと、先輩はそこに居て、小さく震える私の頭を撫で続けた。
私にとって2度目の夏合宿がやってきた。
最終日の夜は、毎年決まって呑み会になる。
好きな量を好きなだけ。
一般的な大学のサークルにしては大人しい部だったため、雰囲気は終始和やかだ。
麻雀をしながら談笑するグループやら、固まって話をしているグループ、眠くなって眠りに帰る人など様々な団体がいる。
私も輪の一つに入り、談笑していた。
輪に居たのは一回生の一部と、私と、先輩と、女の先輩。
話題は、またしても噂の二人についてだ。
部員達は春からずっとやきもきと見守っていたが、一向に具体的な進展はないようだった。
取り敢えずメールは相当な頻度でしているらしい。
「あれでもし、彼女が彼をふったらちょっと僕彼女の人格疑っちゃいますよ!!」
後輩の一人がそう言うと、誰もがそれに賛同した。
その通りだ。
私も思った。
そのくらい二人は親密だったからだ。
そんな中、一人の後輩がポツリときになる噂を口にした。
「最近、同回の男が、彼女の相談に乗ってるらしい。」
確かに、彼女は彼に相談しているらしかった。
今日も既に宴会会場を抜けた彼女は、他階の部屋に居るはずだ。
でも、噂の相談相手の男の子も、ここには居ない。
嫌な予感が胸を占めた。
二人がくっつきそうであることに関して、私は酷く安堵したものだ。
幸せな人が増えるのは良い事だ。
私まで幸せな気すらしてくる。
先輩と帰る機会は意外に多かった。
それが去年からある私との確執故に先輩が私を気遣ってのことであると私は十分に理解していた。
知っていたからこそ先輩と二人になるたびに
「あの二人、もうくっ付きましたかね?」
だとか
「先輩、彼女みたいな女の子がタイプでしょう?」
だとか言って極めて去年のケースに近いその話題を取り上げてはふざけた。
実際彼女は十二分に魅力的であったわけで、同じ学科内でもかなり人気があるようだった。
この
「先輩、彼女みたいな女の子がタイプでしょう?」
と言うお決まりの冗談を幾度か繰り返したところで、とうとう先輩は肯定の意を表した。
でもそれは彼女を狙う男の子がいない場合であって、先輩が本気にならないことも知っていた。
先輩はそう言う人だ。
争ってまで誰かを振り向かせたいだとか、思うタイプじゃない。
ライバルが後輩なら尚更。
そんな人を現在進行形で騙している私はなんて酷い奴なんだろうと、帰りの電車に揺られながらまた一つ自分を責めた。
その頃、彼女が先輩に相談しているのを見掛けてしまった。
「もし、その気がないならその人に気のあるような態度をとっちゃ駄目だよ。」
具体的な相談内容までは分からなかったが、そう先輩がアドバイスするのを聞いてしまった。
…貴方がそれ、言いますか。
対外的、少なくとも私以外から見れば、「気のあるような態度」をとったとされている先輩がそうアドバイスしているのを見て思わず心の中で呟いた。
目下片思い中の後輩の男の子は、一言で言うならば美男子だ。
そして想い人の女の子はと言うと、それに劣らぬ美少女で、私達はそれをうっとりとみつめた。
いつでも二人は一緒にいた。
くっつくのは時間の問題。
誰もがそう囁いた。
彼女はとても優しい子で、気が利き、親切で、気さくで、女らしく、平等だった。
自分が男なら絶対惚れる。
女の子ですらそう口を揃えた。
なんともお似合いの二人だ。
そう、思っていた。
あの夏の、悪夢の夜が来るまでは。
くっつきそうな二人がいるせいか、その時期の私達は拠れば触れば恋バナばかりしていた。
そういった雑談をしていて話が逸れ、こんな話になった事がある。
私が高校の頃の話だ。
席の関係で黒板を見ると丁度目が合ってしまうところに座っている男の子に、あまりに度々目が合うものだから私が彼を好きだと勘違いされた。
と言うありがちな出来事。
「目が合うたびに、『ふっ、お前俺に惚れてんだろ?』と、視線が訴えていて正直迷惑した。」
そう話していると、たまたまそのあたりだけを聞いた先輩は酷くうろたえた。
「え、それって…大学に入ってからの話!?」
「…違いますよ。」
それどころか、もっと酷い。
利用までしていたなんて知ったら貴方はどんな反応をするのだろう。
新入生が入ってきた。
男の子と女の子が半々くらい。
入部が確定して数週間。
新入生の男の子が、新入生の女の子に恋をした。
沸き立つ先輩達。
ああ、またか。
心の中で呟いて、彼の恋が幸福なものであることを祈った。
気がつけば年も明け、新入生が入ってくる季節が近付いていた。
4月が来れば、私も先輩になる。
勧誘の準備に追われて居た。
新入生を迎えるに当たり、私の担当は新入生に配るための自己紹介やクラブ内のランキングを集計することだった。
ただでさえ人数の少ないクラブ、名前なんて書かなくても筆跡で誰の書いたものかなど判別は容易だった。
「Q、男前だと思う人は?」
先輩の解答。
書かれていたのは私の名前。
コメントに書かれていた6文字
「ごめんなさい」
そう言いたいのは、私の方ですよ、先輩。
深夜、自宅で集計作業に終われながら、私は少しだけ泣いた。
新入生が入ってきたとき、彼らは気付くだろうか。
こんなにも歪な私達の関係に。
欲しい言葉はただひとつ。
お前はここに居ろと言う肯定の言葉。
誰に許されたわけでもない。
誰に責められたわけでもない。
誰に強制されたわけでもないのにここにいる。
そんなものを求めるのは甘えだと分かっていたけれど、辛かった。
存在意義が欲しい
意味が欲しい
居場所が欲しい
なんて我が儘な、私。
同回の彼が彼女と喧嘩するたびに、やっと息が出来るとばかりに安堵している私はあざとい。
泣きながら解決策を模索して悩む彼を慰めながら、私なら彼をこんな風に泣かせたりはしないのになんて考えている私は汚い。
今からだって、
私を選びさえすれば
嘘という名の真綿で貴方の首を、世界が終わるその日まで包み込んで
優しい悪夢に誘える。
彼女なんかには到底出来ない術で
幸福の陽炎を見せてあげるのに。
性懲りもなく、そんなことを言いますか、あなたは
私を傷つけたと、一人勘違いして落ち込んだばかりの癖して
また、泣きたいのですか?
分からない、分からな過ぎて今私がいつものポーカーフェイスを続けられているのかすら分からない。
不自然にならないように細心の注意を払って、私は女の先輩と雑談を続けた。
きっとこの先輩は、この後先輩の友人でもある彼女の彼氏さんに今の出来事を話す。
微塵たりとも失敗は出来ない。
緊張の数分。
閉じられていた扉が開いて、先輩らが顔を出した。
何事もなかったように皆で帰宅する。
先輩相手にその場で冗談めかして問い詰めて、ことの真相が分かった。
友人が冗談で、部内の誰かに告白して下さいとお題をだした。
先輩は迷わず私を選んだ、と。
その場に居ない人では意味がないし、私と一緒にいた女の先輩には彼氏がいる
私の友人には、面と向かってとてもそんなこと言えない。
言い訳のように語られた言葉はしかし私を落ち込ませた。
「敢えて男性陣に告白!ってかんじで笑い取って下さいよ、そこは!私に言っても笑いとれないじゃないですか~」
軽口を叩きながら、ああ、この人は私がまだ落ち込んでいると思っているんだなと考えた。
先輩らと帰り道が分かれ、友人と二人になったところで友人が口を開く。
聞こえてきたのは謝罪の言葉。
「あんなお題、ふざけて言ったの失敗だったよ。」
「大丈夫!心配しないで!誰のせいでもないよ。」
口からついて出る言葉は出任せばかり
私は巧く騙せたろうか。最近考えを巡らすのはこんなことばかり。
年を取る毎、こんなことばかり巧くなっていく。
私のクラブの活動内容
それはラジオ番組を作成し、お昼休みに構内に流すと言うものだ。
その日も私は部室にいた。
その頃には同回生の大部分がそんなかんじで時間を潰していたし、別段不自然な
ことでは無い。
放課後は翌日に番組を行うメンバーが集まってリハーサルを行うのが習わしで、
その日リハーサルの為に残っているメンバーの中には、先日私を慰めてくれた友
人、そして先輩がいた。
防音の効いたその部屋の外。
私は友人を待ちながら、部内恋愛中の女の先輩と雑談していた。
突然、部屋の四隅に設置されているスピーカーを通して、リハーサルを行っている部屋の音が聞こえてきた。
成人男性の平均的なそれと比べると遙かに高めな先輩の声。
声の主を認識した次の瞬間
呼ばれたのは、私の名前だった。
「…さん、僕は君が居ないと…ぶはっやっぱ今の無し!ごめん!」
そこで声は途切れた。
勝手に惚れられた気になって、勝手にふって、勝手に落ち込んで、勝手に泣いておいて
今度はこんな、告白めいた言葉をおとす。
先輩が何をしたいのか、私には分かりませんでしたよ、何一つ。
先輩が私をふって、数週間。
私はそれまで以上に部室に入り浸った。
某先輩に
「最近ずっとここにいるよね」
と言われて、ぎょっとする。
ああ、バレてたか…
思った次の瞬間冗談っぽく言われた言葉に流石の私も動揺した。
「ずっとお前いたら、あいつ困るよね。」
だからやめろと言うのか、この人は。
そんなことで辞める方がもっとずっと…
それからしばらくしてからの飲み会で今度は違う先輩に
「彼氏できた?」
と訊ねられた。
咄嗟に
「は?どうしてですか?」
と聞き返してからはっとした。
ああ、そう言うことにしたかったのか。
自分の機転の悪さに心の中で舌打ちした。
私にそんな質問を投げかけた先輩の隣で、私をふった先輩はお酒を飲みながら曖昧に微笑んだ。
その飲み会の帰り、私が先輩のことを好きだと思っている同回の友人は、私をずっと慰め続けてくれた。
「あんなこと先輩が言うって事は、二人がお似合いと思ってたのかも…」
そんなわけないよ。
先輩が聞いたのは、先輩の前で私に肯定して欲しかったからだよ。
私が落ち込んでるのは、あなたが思っているような綺麗な理由じゃないんだ。
本当のことが言えなくてごめん。
言えない言葉は飲み込んで、私はまた一つ大事な人に嘘を重ねた。
人が泣くのを見るのは苦手だ。
随分と目まぐるしい日々が続く。
相変わらず同回の彼からの相談は絶えない。
彼女との考えの擦れ違いが起きるたび、私は呼び出された。
「どうしたら良い?」
消え入りそうな、泣きそうな、そんな声で。
自分ですら気付いていなかったその癖を
先輩に指摘されたのは帰り道でのこと。
「なんか笑う時いつも泣きそう…って言うか、困ったような顔するよね。」
困ったようにしか笑えないのは、先輩あなたのせいですよ。
そんな言葉を飲み込んで、私はその「泣きそうな、困ったような表情」で笑った。
「ここに残る」
決断から数週間が経った。
先輩は最初こそ苦悩していたけれど、私が自然に振舞っているのを受けて徐々に自分のペースを取り戻しているようだった。
それもこれも、彼の同回生である先輩達の励ましのお陰だ。
先輩達は彼のことを酷く酷く愛していた。
私から見ても彼は先輩達に甘やかされていた。
彼は常に頑張る人だから、頑張りすぎる人だから
壊れてしまわないようにと可能な限りで、例えば精神的な部分で、先輩達は彼を支えているのだと日が浅いとは言えここで過ごしてきた私には分かっていた。
堅い信頼や絆で彼らは繋がっているからこそ、互いを思いやれる。
それを、そんな彼を、ぞんざいに扱い
挙句貶めた私。
きっと私は彼らに酷く、嫌われただろう。
こんな奴、いなければ彼は傷つかずに済んだ。
実は私と先輩の噂は、最早現役の上回生の間だけの話ではなくなっていた。
勘の良い私がOBやOGの先輩の知るところになって居ることを私が気付かないはずも無かった。
私の同回にも一部を除き浸透しているのは明白だった。
でも何より辛かったのは、純粋に私が先輩のことを好きだと信じている人が多数居たことだった。
二人の仲を
好奇の目も含みながらも
応援して、拠って、騒いで
自分達が彼女の恋を壊したのでは無いか?
自分達が彼女の想いを玩んだのでは無いか?
そう、考えて先輩達が自分を責めても仕方ない状況だった。
そんな風に思って貰える資格、私には無いのに
優しさが痛い。
「知らなくていいことなんて、この世にはひとつだって無い」
いつかどこかの誰かが言った言葉。
泣けて泣けて仕方なくて、泣きたくて泣けなくて笑うしかなくて笑っていないのに笑っている
そんなことも経験したことが無い世界一の幸せ者が言える言葉だ、そんなのは。
秘密の、罰の、悲しみの、優しさの、重みも知らない子供が口走る幻想だ、そんなのは。
今、辞めれば、悲劇のヒロインでいられる?
落ち込むあの人を励ます先輩達
私は誰に引きとめられること無くここを去る。
今、辞めれば、誰一人、私の嘘に気付かない。
今私が辞めようと、きっと誰も何も咎めない。
でも…
今辞めるなんて、馬鹿げてると思った。
今辞めるなんて、無責任だと思った。
どうせ泣き虫なあの人は私が辞めようと、辞めなかろうと、泣く。
それなら後悔しない道を選んだ方が良い。
あの人の涙も、苦しみもきっとその全てが
私の罪の重さだ。
いつか、そのいつかが来ることは永遠に無いのかも知れないけれど
本当のことが伝えられる日が来ることをただただ祈った。
…残ろう、ここに。
月が冴えていた。
私が下した決断が正しかったのか、その答え合わせは、きっともっとずっと遠い未来だけど
驚くほど冷静に心にすとんと落ちて、沁み込んでいった。
せめて今度こそ、
道を違わぬように
良い…後輩になれるように。
休みが明ければ、学祭。
絶望的な気持ちで朝を待つ夜
もし今、私がここを去れば、先輩はまた泣いてしまう。
「学祭が終われば、クラブを辞める。」
そんな誓いは先輩の涙でいとも簡単に揺らいだ。
一体、どんな顔してあの人に会えば良いのか分からなくて、学祭の日を迎えるのが怖かった。
結局、応えなんて出ないまま、学祭の日はやってきた。
想像以上に忙しくて、余計なことなんて考える暇もなく迎えた学祭フィナーレ
軽く片付けを終えれば、打ち上げが待っている。
フィナーレを抜け出した私は、誰も居ない部室で少し、泣いた。
打ち上げには参加しないと言う旨を告げて
最終バスに乗り込んだ。
…席の隣に座ってきた先輩。
言葉なんて紡げない
俯くしかできない私に話かける先輩。
ろくに会話らしい会話も出来ずに帰りの電車に乗り込んだ。
幸い打ち上げに参加しない人は他にもいた。
最近部内でくっついた上回生カップル。
男の方は「先輩」の親友で、私のことはきっと全部聞いている。
3人同じ電車で帰るのは気まずくて、乗換えを装って電車をおりた。
「ごめんね。」
降りる瞬間その人は言った。
ごめんなさい、先輩
次会う時にはいつもの私に戻ってますから。
先輩が、帰路に着くその後姿を
私は静かに眺めた。
少しずつ小さくなっていく背中を眺めながら
この人は今夜、きっとまた涙を零すのだろうと思った。
その時は出来るなら、一人でなければ良いと願った
そう例えば、あの人のクラブでの戦友が側に居ると良い。
一晩中でもお酒に付き合ってあげて欲しい
せめて泣きごとを漏らすこの人が孤独でないように。
あの人が、先輩達から私が先輩を好きなのではないかと言う疑惑を聞いてから今までの間、随分と酌を交わしながら相談していたことに私は気付いていた。
それでいて知らないふりを続けてきたのだ。
今夜のような夜は永遠に来ないと、どうしたわけか信じ込んでいたのだ。
なんて愚かな、なんて幼稚で甘い読み
私の中途半端さは、結局彼を追い詰めた。
少しずつ少しずつ積み上げた巧妙な嘘で
誠実な人々を裏切った。
都合の良い理由を振り翳して
自分が傷つかないためだけに
沢山の人を振り回して
そして誰より先輩を傷つけた。
何を嘆いても今更遅い。
弁解する権利も、許しを乞う資格も、助けを求めて縋る値打ちも私には無い。
バスは、走る。
この突き当りを曲れば、駅はもう直ぐ。
先輩との話題は、好みのタイプの話に
先輩曰く、好みは
黒髪のストレートでロングヘアー
何より年上が絶対条件。
全て私とは絶妙なところで合致しない条件。
「だから、さ。」
ああ、そういうことか。
今にも泣きそうな顔で先輩は言った。
「なんかさ、もう、クラブで頑張ってるとプライベートでまで無理とかしたくないんだよね。」
泣きそう、と言うよりほぼ嗚咽混じりの言葉は、私達以外にも沢山の人を乗せたバスの中
私の右側に居る生物から発せられた。
「それに、俺、大学卒業したら地元帰る気で居るし。」
珍しく「一緒に帰ろう」とばかりについて来たかと思えば、そんなことか。
「ごめんね、意味分かる?」
念を押すように何度もそう繰り返すこの人はなんて不器用な人だろうと、笑いが込み上げそうな思いで胸が一杯になった。
…泣くくらいなら、
泣かずに言う度胸も強さも心積りも残酷さも優しさも無いなら、
言わなきゃいいのに
私は居なくなるのに
そんなこと態々言わなくても知ってますよ。
わざと先輩の好みにだけは当てはまらないように巧妙に演じてきましたから。
大体ね、大抵の女の子なら、相手と10分も話せば好みのタイプなんて聞かなくても概ね推し量るくらいわけないんです。
それなのに態と外してるのは何でなのか考えたら分かるじゃないですか
そんな事も分からないなんて先輩本当に子供ですね。
あと、こういう場合、客観的に見て泣くべきは私なんじゃないですかね。
フライングであなたに泣かれてしまうと、私の立場無いんですけど。
仮に私が先輩のこと本当に好きだったとしたら、確実にキレてるところです。
男の癖に、女に好かれたくらいで何泣いてるんです。
ほら、先輩、さっきから前のカップルがチラチラこっち見てる
あなたが人前で平気でみっともなく泣くからですよ。
もし、私も人前で簡単に泣くことが出来る人間だったなら、どんなに良かっただろう。
今更洗いざらい話すわけにもいかず、私は曖昧に微笑んだ。
この人は、この言葉を発するまでに一体どれだけ泣いたのだろう。
あの日、私は恐ろしくか弱く心細そうな生き物の泣き顔を見た。
結局、帰り道が先輩と別れるまでの間ずっと
励ますように微笑み続けるくらいしか私には出来なかった。
辞める。
決めて見たものの、踏み切ることは現状が許してくれなかった。
学祭に向けて動き出した企画が宙ぶらりんになってしまう。
自分の担当セクションが今更他人に変更になるのはあまりに非現実的だった。
学祭が終わったら、部長に話そう。
そうこう考えている間に、学祭の日は一日、また一日と近付いた。
この連休が明ければ、学祭、と言う日。
学祭後の休み明けまで、授業は今日で終わりと言うことで皆浮き足立っている。
この休みが明ければ学祭が始まる。
そして、終わったら…
私は真っ先に部長の元へ報告に行く。
辞めます、と。
理由は何が良いだろうか。
出来れば無難な理由が良い。
考えたけれど結局思いつかなかったので、理由は言わずに去ることにしよう。
ここ最近、同じ事ばかりぐるぐると考えている。
でもそんな日々も、もう直ぐ終わる。
帰宅するためバスに乗った。
部室に寄ってからの帰宅だったので流れ上、先輩も一緒だ。
この人と帰るのも、今日で最後かも知れない。
隣の席に座って他愛ない話をしながら、密かに密かにそう思い、二度と返らない時間達を愛おしく思った。
同回の皆は怒るだろうか、泣いてくれるだろうか。
とても純粋で、傷つきやすいあの人は、きっと間違い無く泣いてしまうだろうけど、これくらいは許して欲しい。
あなたは何一つ気付きなどしなかっただろうけど、そして教えるつもりはこの先永遠に無いけれど、私はずっと泣いていたよ。
誰がどんなに心を砕いてくれたとしても、どんな言葉をくれたとしても、私は皆を置いてここを去る。
考えながら、でももう残り僅かな時間達に恥じないように
私は努めて明るく話した。
この先輩もこの先輩だ。
とうとう何一つ気付きもしなかった。
なんて単純な人だろう。
少しだけ、彼に似ている。
この人も彼と同じように、私を引きとめるように泣くのだろうか。
それとも引き止める事すら出来ないくらいに落ち込んでしまうのだろうか。
心地良いバスの揺れ、目的の駅に到着するまでもう少し。
私のぼんやりとした予想の答えが出るまで、もう少し。
判りきっていたことが、今更目の前で起きて動揺しているなんて私はなんて愚かなのだろう。
彼が、秘密
―「実は、さ、皆には黙ってたけど、もう、俺ら、結構前から付き合ってて…」を漏らしてからは、酷かった。
深夜、毎夜のように送られてくる彼からのメール
内容は凡て、彼女に関する恋愛相談
何故か、恋愛経験豊富と見られた私。
眠い目をこすりながら、苦手だった携帯での信じられないほどの長文メール
二人は若くて、不安定で、決して順風満帆なカップルではなかった。
ねぇ、盗っちゃうよ?
そんな想いは溢れるたび揉み消した。
彼女は可愛らしい。
無邪気で、真面目で、元気で、明るい。
全身から生きることを楽しんでいるのが伝わってくる。
あまりに魅力的な女の子で、泣くところなんて見たくなかった。
偽善でも、二人が二人して笑ってれば良いと願った。
辞めて、しまおうか。
長い間、掌で転がし続けていた言葉を
口にして見る。
前に覚悟したときよりもぐっと現実味を帯びたその言葉は、秋の虫の音によって掻き消された。